【本】ふたりの絵本 結婚。

 

さぁ、今夜もやって参りました。

過去に書いていたレビューを引っ張り出してくるシリーズvol.4。

今をときめくクリエイター・ナガオカケンメイが2003年に新風舎から出版した本です。

彼の手描きのイラストと文字、赤一色で描かれる世界にすっと引き込まれます。

これは、25歳以上の男女に読んで欲しい。

 

ナガオカケンメイのふたりの絵本「結婚」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー2005年1月18日

ナガオカケンメイというクリエイターが

実際に奥さんに送ったという”おとなのための絵本”。

男性はビジネス書、女性は恋愛書を読む人が多いのではないかと思う。

そして、今流行りの大人向け絵本は、癒し系といったところか。

ところが、その中で異色中の異色、それがこの本だ。

恋、片思い、両思い、結婚までをリアルに描き出している。

注目すべきは、これまでゴール視されてきた結婚を

ゴールではなく、話の真ん中にしていることである。

結婚生活の愛しさ、美しさ、難しさ、苦しさを

男性の視点から優しく、そして厳しく描き出す。

女性視点のこういった本は多くあるが、男性視点の作品はめずらしい。

しかも、大人数を相手にしているのではなく、

まったくプライベートな、世界でただひとりに向けられた強さがある。

切ない、とにかく切ない。読んでいて苦しく、涙が止まらない。

何度も読み返してしまう。本を閉じて、また開いたら

ストーリーが変わるのではないかと期待してしまうほど

この作品は生きている。呼吸をしている。読者に近づいてくる。

癒されるなんてとんでもない。責め立てられるようにページをめくらされる感覚。

そして、幸せとは何か、考えさせられる。

幸せは与えられるものではなく、自分で創っていくもの。

そのために時間をかけて気づかなくてはいけない何かがある。

そんな何かを教えてくれるヒントになる1冊だ。

男性にぜひ読んでほしい1冊だが、女性の私も読んでよかった1冊だ。

15分で読めてしまうのもいいところ。

これを読んでおくと人生ちょっと変わると思う。

優しい人間になれるのではないかと思う。

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このレビューを書いてから7年、今私は結婚しています。

そして、今またページを開くには少し勇気が要ります。

それは結婚がうまくいっていようが、曇っていようが、

どちらにしても、この本を開く前には深呼吸が必要だと思います。

このレビューを自分で読み返していて、もう1度読んでみたくなってamazonで注文しました。

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